シェア
はてブ
+1
まだ20代前半の男性ですが、
「呼吸がつらいのを診てもらえますか?」
という問い合わせがありました。
最初に電話がかかってきた時点から、とても息苦しそうな声で、普段よくある問い合わせや予約のそれとは違う、切迫した雰囲気でした。
その日は当日に予約可能でしたので、空いている中で一番早い時間に来ていただきました。
目次
ヒアリング
半年ほど前にも呼吸が苦しくなって病院に行ったそうですが、その時は「気胸」と診断されて治療を受け、回復したとのことでした。
今回も似たような感じで
・吸おうとしても上手く吸えない。
(深呼吸をしようとしても肺がふくらんでいる感じがしない。)
・息を吸うと、背中から胸にかけて痛む時がある。
といった症状があり、前回と同じ病院に行ったそうですが、今回は検査しても
「肺に異常はない。」
とのことで、病院としては特にできる治療がないということだったようです。
今回は半月くらい前から症状が出ていて、4日くらい前が背中や胸の痛みのピークだったとのこと。
これ以外にも
・力を入れた時、前腕が痛むことがある。
・背すじを伸ばすと左腰に痛みが出る。
・荷物を持って階段を下りると膝が痛い。
・ふくらはぎが固く感じることが多い。
・咳が出やすい。
・めまい(身体を起こした時に気持ち悪くなる)。
等の症状を訴えられていましたが、
「今はとにかく息苦しいのを何とかしてほしい。」
とのことでした。
施術
初回
初回は問診に時間を要したこともあって、基本調整の DRT のみ行いました。
指標検査では、顎関節や自律神経に関するいくつかの指標に改善が見られなかったこともあり、今回の症状は
呼吸器の問題ではなく、自律神経の不調から来ているもの
という推測ができました。
息苦しさは少し楽になったとのことで、そのまま様子を見てもらうことにしました。
また、姿勢が極端ななで肩で、見ていると首を曲げたり伸ばしたり頻繁に動かしていたので、首の筋肉に過度な負担がかかっているようでした。
そこで、
・首をストレッチしないこと。
・首を動かしたくなったら肩をすくめるように上げて動かすこと。
を守ってもらうようにお伝えしました。
2回目
呼吸は少しマシになったが、首や肩の痛みはいつも通りとのことでした。
この時は DRT の施術で、首の可動域が改善し、前以外は動かしやすくなったとのことでしたが、引き続き首を動かす時の注意は守ってもらうように強調しました。
また、うつ伏せで施術を行っている時に、おそらく無意識にだと思われますが、
身体が急にビクッと動いたり、
ほんのわずかに震えるような動きが出たり
していましたので、自律神経の働きの低下か、あるいは強いストレスがあるのは間違いないと思い、頭蓋骨の調整を加えました。
※ 頭蓋骨の調整は、脳脊髄液の流れを改善し、自律神経の働きを改善することができるので、この方のような症状の他、所謂「不定愁訴」にも有効な施術です。
最後に、胸や肩の筋肉をゆるめる施術を行いました。
3回目
この日は、また元のように呼吸が苦しくなっていて、
来院される直前の10分くらいがひどかった
という状況でした。
話を伺うと、
「2日前に旅行に行って重い荷物を持っていたので、身体が大きく歪んだかもしれません。
右手も上げづらいです。」
とのこと。
こういう時は、最小限の施術にした方が、逆に効果が出やすいので、基本調整の DRT の後、肋骨調整と心肺機能に関係する経絡の調整のみ行いました。
4回目
この時は、施術前の問診で
・急に息苦しくなることもなかった。
・胸の痛みもない。
とのことで、急激に好転してきていました。
施術の後、指標もほとんど圧痛がなくなっていて、首の動きもかなり改善していました。
ただ、観察していると、まだ胸にしっかり空気が入るような状態にはなっておらず、うつ伏せ・仰向けとも、施術の時に身体が無意識に微動する現象も続いていました。
最初にもこの方にお伝えしたように、自律神経の機能低下が原因と考えられましたから、症状が落ち着いただけで油断せず、良い状態が定着するまではしっかり施術を受けていただくように再度ご提案しました。
5回目以降
その後は、呼吸の問題は感じなくなったそうで、肩や背中、腕、膝の症状の改善のための施術を継続しています。
ご本人が感じられる息苦しさとしては、とりあえず4回でほぼ解消したようです。
今後
以前の気胸と違って、自律神経の問題からきている症状と考えられるので、息苦しさが改善したからといって、それで安心するのはまだ早計であり、今回のような症状が出ないように防止するのはもちろん、自律神経の働きを改善し、その他の自律神経系の不調も今から予防しておいた方が良いとお伝えしています。
今は若さでカバーできていますが、このまま放置しておくと良くない状態であるのは明らかですので、定期的に施術を受けていただき、一定以上の良い状態をキープすることが大事です。
Facebookでシェア0 twitterでツイート0 Pocketに保存0 はてなブックマーク0 Google+でシェア0 Follow on Feedly