両手の中指と、右手の薬指ばね指でお困りの60代女性です。

指が曲がったままになり、曲げ伸ばしで引っかかる、伸ばそうとすると痛みが出るという状態です。

目次

ヒアリング

症状について

元々は肩の高さが左右で大きく違っていて左の首から肩全体に痛み(肩甲骨周辺に漠然としたコリの強いような痛み)があってお越しの方でした。

また、山登りにもよく行かれていて、時々右股関節にも痛みが出ていらっしゃいました。

現在は、疲れがたまってくると首~肩に多少傷みが出る程度で、股関節は全く痛みのない状態です。

ただ、年齢が上がってこられてから、両手の指に「ばね指」の症状が出て来られました。
最初は当院の施術を受けられるとしばらくは痛みがなく、手をよく使うことがあると、また忘れた頃に痛みが出てくるというくらいでしたが、ちょうどその頃、当院の徒歩圏内だったお住まいから、一時間くらいかかるところまで引っ越しされることになり、頻繁にはお越しいただけなくなってしまいました。

今日も一ヶ月ぶりにようやく時間をとって来院されたのですが、ばね指の症状が悪化してしまい、

・両手とも全体的に指が曲がって伸びきらない
・特に左右の中指は伸ばす時に引っ掛かり、いわゆる「ばね指」の症状
痛みもあり)
右手薬指も大きく曲がったまま伸ばせない
・不意に指がどこかに当たり、指を伸ばす方向に力がかかるとかなり痛い

といった状態でした。

ばね指について補足

ばね指は、指の腱(※1)の一部が肥大し(丸く固いしこりができ)てしまい、それが関節部の腱鞘(腱を包んでいる筒状の靭帯)を通過しようとする時に、引っ掛かり、さらに力を入れるとそこを無理やり一気に通過するので、バネがはねたようになってしまう症状です。
正式には「弾発指」とも呼ばれます。

※1 指を動かすのは「筋肉」ではなく細長い「腱」です。

施術

ばね指の改善方法

通常、マッサージしたり揉みほぐしたりしても、固く細長い指の腱を効果的にゆるめることはできませんし、まして肥大したしこりをなくすことはできません。
しかし、筋肉をゆるめることに特化した特殊なテクニック(※2)を使うと、固くなった筋肉や腱を短時間で傷つけることなくやわらかくし、肥大部分を解消することが出来ます

※2 当該テクニックを普及する団体の「認定院」になっていないと名称を使うことができないので、ここでは記載を控えますが、当院は所定のプログラムを受講し、テクニックを習得して修了証を取得しています。

また、それ以前に「ばね指」になってしまう根本的な原因は、「指」よりも「前腕部(肘から手首まで)」の筋肉の固さにあります。
指は、前腕部の筋肉が伸び縮みして、手首~手のひら~指へとつながる細い腱を引っ張って動かしています。
これが固いと、十分に力が発揮できず、腱に無理な負担がかかってしまって、

腱が緊張=カルシウムなどの緊張成分がたまる → 肥大する

という状態になります。

ですので、まずは前腕部の筋肉をゆるめて、正常に伸び縮みできる状態にし、その上で指の腱の肥大を改善します。

そうしないと、指や手のひらなど、末端部分ばかりにいくらアプローチしても、その場では痛みや引っ掛かりが軽減できても、結局しばらく経つと元に戻ってしまいます。

実際の施術

当院では、症状に関わらず、最初に DRT で基本調整を行います。

DRT のみでも改善していく症状は多いですし、「ばね指」も DRT とセルフケアだけで改善できるケースもありますが、この方は遠方に引っ越されてしまい、頻繁に通院していただくことが難しいこともあって、集中改善コースという形で、上述のような指の腱と前腕部の筋肉に対する施術を行いました

まず、より痛みの強い左手から施術しました。

指が曲がった状態で、伸ばす時に引っ掛かりがある状態でしたので、

手のひら側(手の甲側ではなく)の、
中指につながる筋肉~腱
(前腕部の筋肉~指の腱)

に対して施術を行いました。

当初の予想より早く、筋肉が弛んで、指の曲げ伸ばしがスムーズになり、見た感じもだいぶ伸びてきて、私が指を大きめに動かしても痛みがなさそうでしたので、

「今、いかがですか?」

とお聞きしたところ、少しの間指を動かしてみて、

指……伸びてますね(笑)。

と仰いました。
続けて、指を動かしながら、

うわ~、まっすぐ。
久々にこんなに伸びた指見ました。
魔法みたい。」

との感想をいただきました。
この時点で、左手はほとんど痛みを感じないとのことでしたので、続けて右手を施術しました。

左手と同様に、まず前腕部、それから中指、薬指の順に同じ手順の施術を行いました。

中指は同じようにまっすぐ伸ばせるようになりましたが、薬指はそれに比べると伸び切らない状態でしたが、ご本人によると、

「学生時代にバレーボールでよく突き指をしていて、(右手薬指は)元々他の指より太くもなってたから、仕方ないかもしれませんね。」

とのことで、時間はかかるかも知れませんが、少しづつは伸びる可能性があることをご説明し、また、中指も症状がぶり返さないように、何度かは期間を詰めてご来院いただくようご案内しました。

※ 追記

上記の施術の次にご来院された際に、指の状態を撮影させていただきました。

上記の施術の時点で、指はかなり伸びた実感を持たれていましたので、今回はあまり大きな変化ではありませんが、指がさらに伸ばしやすくなりました。

わかりやすいように中指だけを施術しました。
(特に左手中指を重点的に行いました。)

第二関節の部分がより伸びているのがおわかりいただけると思います。

少し角度を変えた写真です。

やはり中指が伸びています。

※ ↑ ご紹介している写真は一例であり、施術の効果には個人差があります。

この時の詳細は、次の記事で記載しています。

今後

今回の施術で、中指は両手とも伸びて痛みがかなり軽減してはいますが、

・薬指はまだ不十分である
・今後また指の使い過ぎで悪化したりしないように、もう少し筋肉が柔軟になるまで施術する必要がある

ことをお話ししたところ、幸い4月はまだ何とか時間がとれるとのことでしたので、次回のご予約をいただき、施術を継続することになりました。

※ 今回の方は、以前から当院でお身体の調整を受けていただいていたこともあって、比較的早く指の状態が改善できましたが、もちろん施術の効果には個人差があります。
とは言え、ばね指の改善のための施術方法は確立できていますので、お悩みの方がいらっしゃれば、ぜひご相談いただければ幸いです。