慢性腰痛でお悩みの70代女性ですが、今日は腰ではなく「指」の状態が良くなった気がするという話をして下さいました。

目次

ヒアリング

当初の主訴

当初お越しの際に仰っていたのは、固まってしまってつらい腰の症状と、右膝が正座をすると痛いとのことでした。

特に、朝起きた時が一番つらく、ゆっくりしか動けないという状態。
それが少なくとも7~8年は続いているというお話しでした。

当院にお越しになる前は、整形外科の病院に通っているが、電気を当ててもらうだけで、施術を受けたりはしていなかったそうです。

病院では、

「軟骨がすり減っているのが原因。」

と言われたとのことでした。

朝が一番つらい腰痛というのは、身体が冷えていることで起きている症状の典型例ですが、それを何となく感じていらっしゃるからなのか、サウナで軽い運動をしたり、歩いたりといったことことは意識してやっておられました。

何回か施術を受けに来られて、

・施術後は指標の圧痛が軽減
腰も軽い感じ
・施術後に人と会うと「姿勢が良くなった」とか「さっそうと歩いているね」と言われるようになった

という変化はあるものの、朝起きた時の腰痛の方はまだ顕著な改善が見られないとのことでした。

(ここまでの施術回数は5回)

今日の問診にて

そういった状況でしたが、今日お話しを伺うと、

「腰はまだ相変わらずだけど、右手の小指が前より伸びたみたいで、手をついても前より痛くないんです。」

とのこと。

当初の問診では仰っていなかったのですが、実は

・右手の小指がだんだん曲がってきていた
・机などに手をつくと小指が痛い。
・何かに当たって不意に小指が伸びる(反る)方向に力が加わると痛い。

というような症状があったそうです。

ところが、最近手をついたり指を反らしたりしても痛くなくなってきていることに気付いたとのことで、

「腰は相変わらずだけど、指が良くなってきてるから、
もしかしたら施術が効いているのかも知れないと感じます。」

と仰いました。

実際に、DRT は骨盤~背骨を調整することで、全身のいろいろなところに良い影響がもたらされますので、ご本人が一番気にされている部位とは違った箇所に効果が出てくることもあります。

今回は、そうしたケースだと考えられます。

施術

今回も、まず DRT を中心に、腰や背中の筋肉をゆるめる施術を行いました。

その後、さらに腱鞘炎や突き指、ばね指などに効果のある施術を加えました。

本来、この施術は多少時間がかかることもありますので、集中改善コースでのみ行っているのですが、ご自身ですでに改善してきているように感じられている箇所でしたので、

「小指がさらに伸ばしやすくなるかもしれませんので、
ちょっとだけ別の施術をしてみましょう。」

とだけお伝えして、行いました。

こうした指の関節のトラブル(特に年輩の方)は前腕の筋肉の固さが原因となることが多いです。

そのため、まずは小指の動きと関係する前腕の筋肉をゆるめ、それから指の腱の固さを解消する施術を少し加えました。

※ ↑ ご紹介している写真は一例であり、施術の効果には個人差があります。

ご自身でも予め

「以前はもっと小指が曲がっていて、今はだいぶ伸びた方です。」

と仰っていたので、写真で比較してもはっきりわかるほどではないですが、小指と薬指が少し伸びました(特に第二関節)。

高齢の方で、指が曲がったまま固まったようになって、まっすぐに伸ばそうとしても伸ばせないという方は多いですが、この施術方法を用いると、少なからず変化は出ます。

※ 効果には個人差がありますが、時間をかければ少しづつ改善は可能です。

今後

この方の場合、指の変化に気付かれたことで、施術の効果を感じていただけましたが、朝方の腰はまだつらいということですので、引き続き施術を受けていただくようにご案内しています。

特に7~8年以上続いていらっしゃる症状ですので、さすがに一朝一夕では解消しませんが、施術により指標の変化(圧痛の軽減)はしていますし、腰も軽くなる実感があるとのことですので、徐々に改善していくことが十分見込まれます。