以前からの慢性腰痛に加え、坐骨神経痛のような症状が出てきたという30代女性です。

目次

ヒアリング

20代後半からずっと慢性的な腰痛があり、ぎっくり腰も2回経験があるという女性。

30代になってからは朝起きた時に腰が痛くて塗り薬を塗るのが習慣化してしまっているとのことでした。

それに加えて異変を感じたのが今年の7月下旬で、それまで開脚ストレッチで上半身をベターッと前にも左右にも楽々倒すことができていたのに、右のお尻と左膝の裏側につっぱるような痛みが出て、今までのようにストレッチできなくなってしまったそうです。
さらに言えば、以前は床での開脚姿勢から左に倒す方が軟らかかったのが、今では痛くて倒せず、右より固くなってしまった…と。

お尻の痛みはただ座っているだけの時にも感じることがあり、だいたい右側だけど、左が痛くなることもあるとのことでした。

なかなか治らないのが心配になって、ご自身でもいろいろ調べたそうで、

「もしかして坐骨神経痛っていうやつなんでしょうか?
でも、あれってお尻とか足とか同じ側に痛みが出るんですよね?」

と仰っていました。

確かに坐骨神経痛は、腰・お尻から太ももの外側や後ろ側、ふくらはぎや脛、そして足先までにかけての範囲で、多くは右か左か、どちらかだけに症状が出ます。

症状は痛みやつっぱり感、しびれやマヒ感など、程度によってもいろいろあり、症状が出る部位もお尻から足までの全体であったり、一部であったり、いろいろなケースがあります。

この方も

「初めて感じる痛みなので、上手く言えないのですが…」

と前置きしたうえで、症状を説明して下さり、それを聞いた限りでは、「お尻は右、足は左」という珍しいケースではありましたが、坐骨神経痛のような痛みの出かたのようでした。

(※ 整形外科等を受診されてはいなかったので、診断は受けておられません。
あくまでもご本人の症状からの推察です。)


坐骨神経痛は、

「ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症や分離症などが原因となって、坐骨神経を圧迫して起こる」

といった説明がされることが多いですが、実際には「坐骨神経」の通っている部位の周辺の筋肉の過度の緊張(筋肉が固くなる)によって起きていることがほとんどで、筋肉を適切にゆるめることができれば緩和することが多いです。

※ 感覚の異常や力が入らない等の症状がある場合は、重度であると言えますし、この場合こそ神経が圧迫されている可能性が高いですので、まずは整形外科や総合病院で検査を受けて下さい。


その他、慢性の肩こり冷え症、足のむくみ、さらに20年くらい前に左足首を骨折し、靭帯も伸びてしまったとのことでした。

施術

1回目~5回目

施術はまず DRT による基本調整を行い、その調整前後の変化を見つつ、その時その時の症状を考慮して、

腰方形筋
大臀筋
左足首関節

の調整や、

冷え症の操法

などを加えていきました。

途中、

「夏の暑さがあまりにひどいので、冷感マットを敷いて寝ている。」

という話がありましたので、今回の症状の原因の一つである可能性があることをお伝えして、そのマットを使うのをやめてもらいました。

5回目で右のお尻の痛みはなくなったとのことでした。

6回目~

それからは

左膝ウラ(後ろ側)の腱、そこから上下に伸びる筋肉の緊張をやわらげる調整

を重点的に行いました。

また、通勤の電車のクーラー等で冷えると、左の脛(ちょうど「三里」のツボのあたり)が痛くなるということを仰ったので、

足湯
せんねん灸

等でセルフケアもしてもらうようにしました。

10回目には、

「開脚ストレッチをしても左膝ウラのつっぱり感もそれほどきつく感じなくなった

とのことでした。

それ以前からお悩みだった、朝起きた時の腰痛はまだあるそうですが、それも5分ほど経てばマシになってくるということでした。

こちらの方が長期間続いていた症状でしたので、改善までもう少し回数が必要になりそうです。

ただ、冷え症の急所を押した時の痛みも当初に比べるとかなりやわらいでるということでしたので、身体は内側から確実に変化してきていると考えられ、いずれこの症状も緩和していくと考えられます。

今後

この夏に出てきた

「今までになかったお尻と膝ウラの痛み」
(=坐骨神経痛と考えられる症状)

は、ある程度解決したようですので、あとは朝の慢性腰痛の解消とむくみの改善が課題です。

ご本人もここまでの施術効果を実感して下さり、前からある朝の腰痛についても、問題がより深いからもう少し時間はかかるけれど、継続して施術を受ければそれも改善していくだろうということをご理解いただいていて、

「これを機に徹底的に改善したい」

と仰って下さっています。

もちろん当院としても、今後も最善を尽くしていきます。