以前から定期的な身体のメンテナンスにお越しの70代自営業の女性です。
いつもと違い、左上腕に何とも言えないだるさがあるとのことでした。

目次

ヒアリング

当院の開院当時から、ずっと身体の定期チェックとメンテナンスのためにお越しいただいている70代の女性です。

今も現役で美容関係の仕事をされていて、手をよく動かすので、腕や肩・首に疲れがたまりやすい方です。
また、油断すると左肩が上がってきて、左右の肩の高さがけっこうズレてしまうので、そうしたことのないよう、予防のためにずっと2週間に一度くらい来られています

この日は、いつものような肩や腕の疲れとは違い、

左上腕がかなりだるくて、三角巾で吊っておきたいくらい。」

とのことでした。

念のため確認しましたが、シビレはないということでした。

施術

当日

まずは通常通り、DRT による全身の基本調整をしました。

いつもであれば、調整後は各部の指標(チェックポイント)は圧痛がほとんどなくなるのですが、この日は指標の改善が芳しくなく、DRT で一番重視する「首の指標(第二頸椎)」の痛みが、調整後でも最初の7~8割残っているという状態でした。

その後すぐに座った状態で第二頸椎の歪みを直接調整する施術も加えましたが、それでも痛みは最初の5割(=半分)くらい残っていました

施術前の問診で「シビレはない」とのことでしたので、ヘルニアの可能性は低いと判断して、通常の施術を行ったのですが、この時点で

「やはり何かおかしい。」

と感じました。

そこで、仰向けに寝ていただき、クッションとタオルを重ねて枕代わりにして、頭の位置を高くした状態にすると、それだけで左腕がだるくなくなったとのことでした。

頸椎ヘルニアで腕に痛みやしびれがある方等は、こうした体勢になってもらうと、痛み・しびれが軽減することが多く、その典型的なパターンに見えました。

この時点で、

明日以降も腕のだるさが変わらないようであれば、首のヘルニアになっている可能性があるので、整形外科で診てもらって下さい。

とお伝えし、その上で出来る限りの施術をさせてもらうことにしました。

具体的には、

・脾経(筋肉のコリ、こわばりをほどく経絡)
・左上腕伸筋側の経絡
・座った状態で左肩から腰までの筋肉と帯脈の調整(筋体質に合わせた調整)

等です。

調整後には、腕のだるさはなくなっているとのことでしたので、再度病院での受診を念押しして、この日の施術は終わりました。

3週間後

3週間後に来られた時に状態を確認しましたが、意外にも左腕のだるさは前回以来感じなくなっていたとのことでした。

この状況からは、頸椎ヘルニアに似たような症状が出ていたものの、ヘルニアではなく、原因は筋肉の固さや骨格の歪みであったと判断しても差し支えないと考えられます。

逆にこの日は足腰に疲れが出ているのと、肩には以前からあったような重い感じがあるとのことでしたので、DRT を含め従前と同様の施術を行いました。

施術後には、その日気になっていた症状も解消しているとのことでした。

最後に、念のため再度

「前回と同じような症状がぶり返した場合はなるべく早く整形外科等で検査してもらって下さい。」

とお伝えしておきました。

※ 施術の効果には個人差があります。

今後

もともと定期的に体を整えに来院されていましたので、今回のように、いつもより調子が悪いということがあっても、一回の施術で解消できましたが、普段から整えるようなことをしていない人であれば、同じような症状でもさらに回数が必要になったと思われます。

幸いヘルニアでもなさそうでしたので、症状の再発もありませんでした。

やはり、定期的に身体をケアしておくことは大事だなと再認識させられたケースでした。

ご本人ももちろんそのように感じられて、今後も継続してお越しになられるということです。